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リンゴ病と俺(1)【俺フェス】

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     現代病に新たな病気を追加するのであれば、俺はリンゴ病だと思う。それは頬がリンゴのようになる病ではない。右半分をかじった不完全なリンゴになる病。


     そう、リンゴ病とは、Apple製品の魅力に取り憑かれた人のことをいう。医者が言わなくても、スティーブジョブズが言わなくても、俺が言う。リンゴ病に冒された俺が言う。


     俺はiPodだけは使わないと決めていた。というよりも、流行っているものが嫌いだった。iPodを使ったら流行にのっている感じがする。だからiPodは買わない。ただのひねくれ者の俺。


     世界中でAppleフィーバーが起こり、iPodが流行り、「音楽プレイヤーといえばiPod」という雰囲気になっても、自分はSONYのウォークマンこそが世界一だと思っていた。日本人だからSONYの製品を使うという意味不明の愛国心を自負していた。もしも自分の音楽プレイヤーを「それ、君のiPod?」などという人間がいれば、完膚なきまでに罵った。


    「何がiPodだ。iPodなんてApple社がMacを普及させるための抱き合わせ商品だろうが。パソコンはWindowsがほとんどなのに、Macなど使えるか」


     Macを使うのはデザイナーか、ただのマニア。そんなイメージしかなかった。


     そこまでAppleに冷たい視線を送っていた俺がiPodに興味を抱いたのは、朝の通勤電車でのことだった。車内ではサラリーマンたちが新聞を読んでいる。俺は吊り革に掴まって、彼らが器用に新聞を折り畳む姿をぼんやりと眺めていた。


     社会人1年目だった俺は、新聞を読むことの大切さは十分感じていた。


    「毎日、国内外でどのようなことが起こっているのか、社会人になったのだから知らないでは済まされない」


     きっと先輩方はこう仰ることだろう。


     しかし、カッコいいことを言うのは簡単なのだ。この混雑した車内で新聞を持ち込んだところで、器用に折り畳むことができない。うまく新聞を読めない。それならば、新聞を読むよりも、携帯のYahoo!ニュースをチェックした方が効率がよいのだ。だが、やはり携帯サイトでは上手にニュースをチェックしにくい。一面を開けば、多くの情報を一望できる新聞とは違う。

     

     そうやって自分を正当化させて「やっぱり、社会人は日経新聞を読んでいる人が多いな」と人間観察することに没頭する。


     そんな中で、俺は前に立っている人が、片手で新聞を読んでいるのを発見した。みんながクシャクシャと窮屈そうに新聞を読む中で、その人はiPod touchを使って、片手で、新聞を読んでいるのだ。


     始めは携帯でネットをしている人かと思った。何のサイトを見ているのだろうか。退屈しのぎで盗み見ると、そこに映っていたのは産經新聞をそのまま埋め込んだような画面だった。


     衝撃的だった。こんなスマートな新聞の読み方があったのだ。この端末さえあれば、毎日苦労なく新聞を読むことができる。鞄の中を邪魔しない。音楽も聴ける。iPod touchはすごい端末ではないか。


     こうして俺の「アンチ流行もの、アンチiPod」の信念は、温めたロウソクのように、いとも簡単に曲がってしまったのである。


    【俺フェス】しがみつく

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      しがみつく、体を横たえ

      しがみつく、噛み付きながら

      しがみつく、汗をしたたらせ

      しがみつく、振り落とされぬよう

      しがみつく、うめき声をあげながら

      しがみつく、歯をくいしばって

      しがみつく、しがみつく、しがみつく

      しがみついたら

      志気が下がらないように

      脱落してしまわないように
      慎重に

      だけど勇ましく

      奥へ奥へと突き進む

      向かう先

      その頂には

      真っ白な達成感が待っている

      そしてすっかり

      征服できた気持ちになる

      【俺フェス】宝くじ

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        お金が無いから

        宝くじで1億円当てたいな

        当たったお金でマイカーに乗りたいな

        当たったお金でマイホームに住みたいな

        当たったお金でセレブなご飯を食べたいな

        当たったお金でイケメンになりたいな

        当たったお金でエロカワ女子と付き合いたいな

        宝くじが当たったら

        人生逆転できるだろうな

        宝くじが当たったら

        無いものねだりができるだろうな

        でも

        お金が無いから

        宝くじ買ったら

        今日の夕飯

        食べられないな

        宝くじ買ったら

        移動手段

        徒歩だろうな

        宝くじ買ったら

        今夜の寝床

        公園だろうな

        でも宝くじを買わないと

        お金持ちに

        なれないな

        【俺フェス】彼女が欲しい君に告ぐ

        0
          彼女が欲しい君に告ぐ


          今すぐ彼女は必要か?


          愛をくれる彼女が欲しい?

          それなら犬を飼えばいい
          毎日一緒にいてくれて
          一生自分を慕ってくれる


          遊びに行ける彼女が欲しい?

          それなら友を誘えばいい
          どこでも楽しい場所になり
          心を開いて話ができる


          セックスできる彼女が欲しい?

          それならソープに行けばいい
          気づかうことは何もなく
          全てを相手に委ねればいい


          愛なんて
          交遊なんて
          セックスなんて

          代わりはゴマンとあるはずだ。


          彼女を手に入れ
          愛を手に入れ
          幸せを手に入れても

          失うものもあるはずだから


          急ぐ必要はない


          今の自分が一番幸せ

          今の自分が本当の自分

          今は自分を見つめていよう


          やがて向こうから

          素敵な人が歩いてくる

          【俺フェス】オシャレな街

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             オシャレじゃない僕と君が手を繋ぎ、

             オシャレな街にデートに行く。

             オシャレじゃない君は

             オシャレな街に圧倒されて、

             オシャレじゃない僕に向かって

            「オシャレな街よね」

             オシャレじゃない苦笑をする。

             オシャレじゃない僕も

            「オシャレな街だね」

             オシャレじゃない苦笑する。


             オシャレじゃない僕らは、なんだか居心地が悪くなって、

             オシャレな街の服屋なら、

             オシャレな服がたくさんあるから、

             オシャレじゃない僕らは

             オシャレな服を買いに手を繋ぐ。

             オシャレが何かなんて分からないけど、

             オシャレな服屋には

             オシャレな服しかないはずだから、

             オシャレで一番手頃なのを手にとる。

             オシャレな試着室に君は入って

            「オシャレかな?」

             オシャレじゃない服を着た僕に尋ねる。
             
             オシャレが何か分からないけど、

             オシャレな君に見えたから
             
            「オシャレだよ」

             オシャレじゃない笑顔で応える。

             オシャレじゃない財布から、

             オシャレとはほど遠い、手垢のついたお金を出して

             オシャレな服を買う。

             オシャレな服屋を出て、

            「これで僕たちはオシャレの仲間入りだね」

            「これで私たちはオシャレの仲間入りね」

             オシャレな服に着替えようと思ったのだけど、値札をとってもらうのを忘れてしまい、

             オシャレじゃない僕らは苦笑する。


             オシャレになれない僕たちは

             オシャレなアイスショップで、

             オシャレなアイスクリームを頬張るんだ。

            「オシャレな味だね」

            「オシャレな味ね」

             オシャレなアイスを口につけて君は笑う。

             オシャレじゃない僕らは

             オシャレな街を去り、

             オシャレじゃない電車に乗って

             オシャレじゃない街に帰る。

             オシャレじゃないアパートの

             オシャレじゃない僕の部屋。

             オシャレじゃない服を脱がせ合って、

             オシャレじゃない言葉を交わして、

             オシャレじゃないベッドの上で、

             オシャレじゃないセックスをする。

             オシャレじゃないけど幸せな時間。

             オシャレじゃないけど素敵な君。


             
             オシャレじゃない目覚ましが

             オシャレじゃない声で朝を叫び
             
             オシャレじゃない僕は

             オシャレじゃない部屋で眠りから覚める。

             オシャレじゃないベッドに横たわる

             オシャレじゃない僕。

             オシャレな朝が来たから、

             オシャレじゃない朝食を食べて

             オシャレじゃないスーツに袖を通し、

             オシャレじゃない街へ

             オシャレじゃない仕事に出かける。


             オシャレな夢を観た後にね。

            【俺フェス】殺されていくもの

            0
                死んでしまう 
               死んでしまうんだよ 

               それなのに、みんなどうしてそんな笑顔でいられるの? 
               僕らは殺されてしまうんだよ 

               ねぇ、理解しようよ 
               僕たちがこれからどうなるか 

               ねぇ、考えようよ 
               僕たちがどうして生まれてきたのか 

               ねぇ、叫ぼうよ 
               僕たちを元の場所に返してって 

               でもね 

               知っていた? 

               僕たちは最初から殺されるために生まれてきたんだって 
               僕たちは殺されるために今まで生きてきたんだよ 

               こんなのってあると思う? 

               僕たちに生きる権利なんてないんだよ 
               僕たちに生きる意味なんてないんだよ 

               それを気づかない君たちが 
               とても羨ましい 

               そうだね

               僕も最後は悩まずに絶えたいから
               苦しむことを考えながら待つのは嫌だから 

               死ぬってどんな感覚なのかな 
               今はそのことを考えることにするよ
               

               殺されて 

               皮を剥がされて

               骨を砕かれて 

               肉の塊になった僕を
               恍惚の顔で食べる彼ら

               ちょっとワクワクしてきたよ

               彼らには生きる価値があるんだろ?

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